■KLASの英語教育 −TOEIC、IELTSの結果から−
校長 渡邉 博司
ご承知の通り、本校の英語教育は本格的なものです。ネイティブ・スピーカーによる「英語で英語を学ぶ」スタイル、圧倒的な分量の英語関連授業(全授業の65%)、教室の外でも英語を使う英語実用主義など、これまでの国内の高校では見られなかった特長をもっています。めざす目標は、実用レベルで「使える英語」を身につけることです。例えば、教室風景としては、12年生のEnglish Literature(英文学)の授業で、講義の内容を理解し、英語で課題をこなすことができるレベルだと言い表すことができます。
しかし、英文学の授業を理解できるからと言って、これくらいの英語力があると具体的に示すことはできません。そのために、本校では、生徒の「使える英語」の力を計るために二つのテストを利用しています。最近も2月に144名がTOEICを、3月に69名がIELTSを受験しました。この機に、本校生徒がどれほど英語力を伸ばしているかについて述べてみます。
IELTS
ブリティッシュ・カウンシルが主催するテストで、4領域のバランスに配慮しながら総合点は、1.0から9.0で表されます。今回受験した69名のうち、10年生の平均点は4.5、11年生は5.2、12年生が5.8という結果でした。多くの大学は志願者に5.0〜6.0のスコアを要求します。本校の生徒は、10学年時の4.5から始まって(入学直後にはもう少し低いでしょう)、学年を追うごとに確実にスコアアップしていることが分かります。
海外大学や国内の国際系大学/学部を受験する生徒たちは、この結果を出願書類として提出します。英語力を示すのにTOEFLばかりを用いていた頃とは違って、今では国内外のほとんどの大学がIELTSのスコアを英語力証明として認めています。
KLAS在籍中の3年間のうち、12年生の今頃は最も伸びの著しい時期です。希望校が要求するレベルに未だ達していない場合でもあきらめるには早すぎます。是非、次のテスト日にもチャレンジしたいものです。卒業直後に日本で受けたテストでスコアが大きく伸びたという例も珍しくはありません。
TOEIC
アメリカのETS(Educational Testing Service)がスコアを認定するテストです。日本ではかなり有名ですが、実はこれは日本人向けに開発されたテストで、受験者のほとんどは日本人です。大学での適性を計るにはIELTSやTOEFLの方が優れているのですが、日本での認知度を考えて、本校ではJCP(主に日本の大学目指すプログラム)生を中心に利用しています。これから、日本全体の受験者データと比較しながら、KLAS生がいかに高い英語力を身につけているかを見てみます。
本校では2007年からTOEICを全校レベルで実施しています。この5年間で約300名ほどが各学年時にこのテストを受けています。図表1は彼らの結果を学年ごと、スコア域ごとにまとめたものです。
学年ごとの平均点は、10学年/400、11学年/506、12学年/602と年を経るにつれて順調に上昇しています。この順調さは特筆に値することですが、そのことを他校・大学との比較から見てみましょう。図表2は2010年にTOEICを受験した全国の学生の学校種類別の平均スコアを示しています。
高校(138校、11765人)の平均は本校の10学年平均と近似しています。これは、本校の本格的な英語教育が効果を生み出す前の状況が国内の日本的な英語教育を受ける生徒たちの状況と同様なレベルにあると考えれば、納得できる近似でしょう。ここから、もともと一般的な高校と同じような英語力をもっていた本校の生徒は、KLASの英語教育によって高いレベルへ伸びたことが見て取れます。
また、大学や語学学校の平均は高校の平均からさほど伸びているとは言えません。これは日本の英語教育が運用能力を伸ばすことではうまくいっていないことを示していますが、それに比べて、本校では10学年平均400から12学年平均602まで顕著な伸びを実現しています。KLASの英語教育は「使える英語」を育成する上で、大きな成功を修めているといえるでしょう。
獲得した各スコアがどのような意味(評価)をもつかは、
こちらをご覧ください。
本校の教育目標からすれば、Cレベル(470〜730)[限定された範囲内でコミュニケーションが取れる]をめざしたいところですが、最終学年では多くがこのレベル以上に到達していると云えます。注目したいのはBレベル(730〜860)[どんな状況でもコミュニケーションが取れる]以上に位置する生徒群の存在です。図表1で、スコア700以上で12年生を終えた者は69名、全体の24%となります。特に、Aレベルとなる900以上は13名存在し、全体の5%がNative並みの評価を得ています。実際には相当数のACP(主に海外の大学を目指すプログラム)生はこのTOEICを受けていないので、彼らを含めると、A、Bレベルの生徒数はさらに多くなるものと思われます。
以上、二つの英語テストのデータにもとづいて、本校の英語教育の効果を確認いたしました。

校長室での一コマ。公民の授業も担当しています。