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英語ミュージカルを終えて

「生きた英語」を実践する場として、4月17日(木)~19日(土)英語ミュージカル「ピピン」が上演されました。ミュージカルは演者だけでなく支える係も重要であり、生徒たちは裏方の仕事もやりがいを感じて担当しています。担当教員のドイル先生の説明と、様々な担当者の心の動きをご一読ください。

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ミュージカルの一方の主役、「音楽」を担当するオーケストラの面々です。気合入っています!




■ミュージカルを終えて

 担当 ウォルター・ドイル



【日本語意訳】

 今年のミュージカルは大盛況に終わりました。Pippinは歌、ダンス、演技の組み合わせが大変良いミュージカルでした。



 アンサンブルのキャストはPippinの人生とその時代を通して踊り、ミュージカルが終わったときは一部の観客の方々に寂しさを残したものでした。



 12年生のHさんは振り付けを担当し、密通の場面におけるパ・ド・ドゥ(2人で踊るところ)、Magic To Do(Pippinで出てくる一番目の曲)のように大勢が踊るところの振り付けをおこないました。Hさんの素晴らしい振り付けのアイデアと組み立て方に脱帽でした。

 中島亜紀先生はオーケストラと歌の指導をおこない、素晴らしいものに仕上げてくれました。3人の生徒がオーケストラの指揮を務めましたが、複雑な楽譜にもかかわらず恐れずに上手に合図を出すことができました。



 今回は初めての試みである、上演中にプロジェクターを使って、その場で撮った写真などを投影しました。これについては、12年生のY君がさまざまなことを調整し、あるゆる努力をしてくれました。Pippinのショーに加えて、時代が交錯する世界を作り出していました。



 Pippinは多くの才能ある教員と生徒の努力により、目で見て、耳で聴いて多いに楽しめるものとなりました。20回目の KLASのミュージカルとしてPippinを大変誇りに思います。



 オーディションを経て、舞台に立ったアクターやコーラス、そしてオーケストラや照明、衣装、セットなど、各担当がそれぞれの場で力を発揮し、素晴らしいミュージカルが上演されました。以下、 6人の生徒に、それぞれの”ミュージカル”について語ってもらいます。






以下原文



This year’s musical ended on a high note; Pippin combined the best of musicals- singing, dancing and acting-in a show that was surprising and comforting at the same time.



The ensemble cast danced through the life and times of Pippin, leaving some audience members sad that the show was over. Ms.H choreographed the intrigues, the pas-de-deux and great big show stoppers like Magic To Do.Hats off to Ms.H and her superb ideas and organization.



Aki Nakajima led the orchestra and the singers to success. The orchestra was conducted by three students; The orchestra was conducted by three students; the met the complicated score without fear and navigated the orchestra through some very tricky cues successfully.



We tried some new ideas, using live projected images and social media. Mr.Y gave every effort to coordinate disparate elements of technology. It added to the show and helped shape an anachronistic world.

Pippin was a treat for the eyes and ears by the efforts of many talented teachers and students. And for the 20th KLAS production, Pippin made us proud.







 
■光の中で

 12年生(高校3年生) 女子



 来る。もうすぐ来る。あの瞬間が私を、そして全てを包みにくる。舞台に立つ私は私自身なのか、全くの別人なのか。舞台に立つとまるで自分の体を誰か他の人に乗っ取られたように感じる。そこに立っているのはもう私ではない。私の体が動くのは私自身の意思なのかどうかさえ分からなくなってくる。スポットライトが私を照らし、客席が見えなくなって、世界は私と“私の役”二人だけになる。こぼれる声は私のものなのか、“私の役”のものなのか。私はどこにいるのか。



 ミュージカル本番の三日間を思い出すと、まるでそこだけ記憶がぼやけているようにおぼろげだ。はっきりと覚えているのは自分がすごく緊張、興奮していたこと。今思い返してみてもスポットライトの光の中にいた私は私だったのか、“役の私”だったのか分からない。あの瞬間は、誰にも邪魔されない、自分だけの場所にいた気がする。



 そして今、もう一度ミュージカルを振り返ってみて思う。私と“私の役”に舞台で居場所を与えてくれたのは他のたくさんの人たちだと。ライトの人がいなければ役者は輝けない。オーケストラの人がいなければ役者は歌えない。道具やメイクアップ、コスチュームの人がいなければ役者は役になりきれない。そして受付、宣伝の人がいなければ観客が舞台を見てくれる事はない。皆に支えられて、役者は初めて役者として舞台の上に立てるのだ。光が私を包みにくる。“感謝”という暖かい言葉とともに、私の上に降り注ぐ光。それは私だけでなく周りの皆も包み込んでくれているだろうか。光の中で思うこと、「みんなほんとうにありがとう。最高のミュージカルをありがとう。」






■ミュージカル「PIPPIN」

 12年生(高校3年生) 男子



 ミュージカル。三年前の僕だったら、オーディションにすら参加しようと思わなかった。今回参加したのは興味本意からだった。自分が音痴なことは知っていたし、まさか受かるとも思っていなかった。ただ「アクターやってみようっ」と思い立ったのがすべての始まりだった。それからは、自分の声にあう曲を探して部屋で練習した。歌詞は全部覚えた。もちろん、オーディション1次審査で言うセリフも覚えた。軽い気持ちで参加したとはいえ、やれることは全部やった。オーディション当日、もちろん緊張していた。歌も拍手はもらったが、ちゃんと歌えていたかなんて自分ではわからない。1次審査終了。本来ならここで帰されるはずだが、なぜか他の子達と一緒に自分も2次審査のメンバーとして残ることができた。よく分からないまま、2次審査が始まり、とりあえずやれるだけのことはやって、その日は終わった。



 後日ブリテン(掲示板)を見ると主役であるピピン役の審査に、W君、K君、そして自分の名前があった。うれしかったが、さすがにこの二人に勝てる気はしなかった。二人ともミュージカル経験者であり、歌も高音を出すことができ上手い。それでも、もしかしたら主役ができるかも!と思い死ぬ気で主役を取りに行った。結果は、W君がピピンだった。僕はこれでアクターは落ちてしまっただろうと思っていたら、なんとピピンの弟、ルイスという役を演じることになった。役柄はちょっと...という感じだったが、まさか自分がオーディションに合格し、メインキャストの一人になれるとは思ってもいなかった。



 ミュージカルに関しては何もかもが初めてのことばかりで、最初はあたふたして怒られることもしばしばあった。スタディーホール(学習タイム)や週末も練習が多く、辛いこともあったけれど、表には出さず、持ち前の元気さと明るさで場を明るくしようと盛り上げていた。たまにやり過ぎで怒られることもあったが、辛いことばかりではなかった。舞台裏でみんなと団欒したり、練習中いたずらをしてみんなで和む時間を過ごしたり。そんな楽しい時間もあっという間に過ぎ、気がつくと本番を迎えていた。



ミュージカル経験者に聞くと、例年本番は2日目・3日目になるにつれて力が発揮できなくなるらしい。そんなことにはしたくないと、みんなで死ぬ気で乗り越えると言って取り組み、結果、乗り越えることができた。今年は、2日目・3日目になるにつれて、ミュージカルの仕上がりも良くなっていった。



 今回のミュージカル。僕にとって最初で最後だったが、初めてとは思えないほど最高なものをお客さんに届けることができたと思う。このミュージカルで得たものは、僕に取って貴重な財産となった。だからこそ、ミュージカル「PIPPIN」に関わったオーケストラ、ライト、ステージマネージャー、メイク、コスチューム、フロントオブハウス、セットビルダー、そしてアクター。すべての人に伝えたい。最高の思い出をありがとう。そして、おつかれさまでした。





■かけがえのない時間

 10年生(高校1年生) 女子



 今回、私はコーラスとして「PIPPIN」に参加させてもらいました。ミュージカルは、私がKLASに入学する前から唯一絶対参加したいと心に決めていた行事でもあったので、今回アクターとして舞台にたてたことをすごく嬉しく思っています。また、ミュージカル本番までの道のりは決して楽なものではなく、正直なところ大変なことや自分の演技力への不安なども多々ありました。しかし、そんな ときに、 アクターの先輩たちや同級生の存在が、私にとって大きな支えでした 。演じている先輩の姿をみて、自分の努力不足を情けなく思い、私も先輩たちのように自分の役にすべてを注ぎ込んで演じようと考えることができました。普段同じクラスで勉強し、私と同じ立場にいる同級生を見ては、 一緒に頑張ろうと思えました。出番前、緊張している私に「笑って、自信もって!」と声をかけてくれる先輩の言葉が力にもなりました。



 そしてできあがった本番では、緊張を忘れるくらい楽しく、作り笑顔ではなく自然と笑顔になっていました。ミュージカルには本当に沢山の人の努力がつまっています。そのため、3日間すべてを演じきった時には、達成感と終わってしまった寂しさで涙がとまりませんでした。ミュージカルへのすべての時間は本当に私にとってかけがえのない時間となりました。



 歌の指導をしてくださった中島先生、演技の指導をしてくださったドイル先生をはじめ、陰で支えてくださったすべての先生方、先輩方、同学年のみんな、本当に心から感謝しています。ありがとうございました!






■My Dear Orchestra

 12年生(高校3年生) 女子



 どんなオーケストラにしよう。最高学年、指揮者という立場になって、今まで先輩に頼っていたことに気付いた。昨年と180度違う状況に戸惑い、始めは不安で仕方なかった。昨年のミュージカルで心残りとなっていたこともあり、今年は最初から最後まで 全員でやり遂げたいという思いが何よりも強かった。ほぼ毎日、週末は6時間の練習をこなすのは簡単なことではない。3年間やった私でも練習が辛いときはあった。今年は全員で全ての練習を乗り切ることができ、本番では、ステージ上のアクターに負けないくらい華やかで楽しそうに演奏できたオーケストラだったと思う。



 指揮者をやって実感したことは、コミュニケーションの大切さだ。アクター、後輩の指揮者、オーケストラ、そして先生ともめないよう、しっかり落ち着いて話し合うことの大切さを実感した。



 そんな中、本番三日とも、お客さんがオーケストラの演奏が終わるまで残ってくださったことがとても嬉しかった。2年間、演奏し終わると空っぽのホールが寂しかった。今年は、 毎回暖かい拍手を送ってくれるお客さんがいて、驚いたのと同時に嬉しかった。最終日、アンコールの演奏をしていると、後ろからオーケストラの歌に合わせて歌っているアクターの声が聞こえた。たくさんの練習を共にしてきた仲間の声、見回すと指揮をしっかり見ながら笑顔で楽しそうに演奏する頼れる同級生、かわいい後輩達、感謝と嬉しさと、最後だという寂しさ、言葉に表せない気持ちがたくさん混ざって涙が止まらなかった。演奏後、抱きついて、ありがとうを伝えてくれたアクター、お疲れさま!と握手してくれた友達、素晴らしい演奏だった伝えてくださった地元の方、私よりも泣いていた母。ミュージカルという行事を通して、人の暖かさ、友達の存在の大きさ、たくさんの大切な物に気付くことができた。部屋で見守ってくれた同室、ちょっとした変化に気付いて手紙をくれた 友達、メールで元気づけ、私に喝を入れてくださった先輩方、日本から掛け付けてくれた母、素直で辛抱強いオーケストラのみんな。ありがとう。Mちゃん、Aちゃん、来年のオーストラを頼んだよ。






■私のミュージカル -コスチューム係としての視点-

 12年生(高校3年生) 女子



 早いものでもう三回、私はコスチュームの仕事に参加すると言う形でミュージカルというKLASの大イベントの一部を担わせて貰っている。今年12年生は私を含めて3人、11年生は1人、10年生は7人、と通常よりやや少人数だったが、チームワークという意味では過去最高のものであっただろう。ピシェット先生の指示の元、さっと動けるチームメイトに恵まれ、大変有難いことだった。



 アクターやステージマネージメント、オーケストラのメンバーと異なり、私たちの仕事は短期間に終わる。しかしながら、ターム5(春学期後半)に入ると怒濤の勢いで仕事が積まれ、時にはアクターよりも長時間作業をすることになったりもする。開演中はアクターに付き添い、衣装の状態を逐一確認したり、さらにドイル先生のチェックが本番直前に入り、衣装の大きな変更があり、その対応もその場の自身の判断でこなさなければならない。地味ではあるが、なかなか 難しく厳しい仕事である。



 それでも、私がこの仕事を続けてきたのには理由がある。単純ではあるが、このコスチュームの仕事とミュージカルが私は心底好きなのだ。派手な化粧を施し、奇想天外な衣装を身に纏い、照明に煌々と照らされ、オーケストラが開幕に合わせ高らかに音を奏でる、そんな非日常の固まりとなった舞台に立った役者らの姿を見ると諸々の疲れが一気に吹き飛んでしまう。心に残るのは皆で作り上げた上質の作品を見た感動の爽快感のみだ。そういった感動と共に、この大変な仕事を是非後輩に引き継いで貰いたい。






■最後のミュージカル

 12年生(高校3年生) 男子



 僕にとってミュージカルは特別なものだった。今年で照明としてミュージカルに関わって3年目になる。僕がミュージカルに関わろうと思ったきっかけは単純に面白そうだったことと、また10年生の頃にミュージカルのオーディションを受けたが合格には至らず、ならばキャストを支えたいと思い、照明の役割を選んだことが始まりだ。



 今年のミュージカルは去年よりも照明の仕事が多く、辛い反面、嬉しかったという印象を抱いた。基本的に照明が仕事に入るのは他の裏方よりも遅い。しかし、ミュージカル直前までに多々の変更があったり、僕が担当しているスポットライトは発熱しておりその周囲はとても熱かったり、照明ならではの仕事が多々ある。また、今年は最後の学年ということもあり、今年初めて照明を行う仲間に指導をすることも仕事だった。



 3日間あった本番はあっという間に過ぎた。キャストも裏方のスタッフも日ごとに調子が上がっていき、最終日には一段とよいミュージカルを作り上げることができた。この日の夜、ミュージカルに関わったメンバーは裏ミュージカルというものに参加した。これでKLASのミュージカルに関われるのは最後かと思うと熱いものが込み上げてきた。僕は3年間照明に関わることによってみんなで何かを作り上げることの面白さ、協調性、それぞれの仕事の重要性を学んだ。KLASを卒業しても、ミュージカルで学んだことを大学生活に活かしていきたい。




img2014061209420114882900演者の輪! ミュージカル上演期間の3日間、喜びも、苦しみも(?)分かち合うことになります。


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大道具などの作成も大変です。コスチュームや化粧担当など、裏方を担った生徒たちにとってもドキドキする3日間となります。