校長先生からのメッセージ

時代に先駆けて・・・ ~KLAS創立25周年~ 

KLAS創立25周年
校長 渡邉 博司

1990年に設立された本校にとって、今年は「創立25年」を記念する年になります。

当時、外国に住む邦人の数が急増するのに対応して日本人学校も増えており、ヨーロッパの日本人高校は本校以外に10校もありました。そのどれもが、在外の日本人に「日本式の高校教育」を施すことに主眼が置かれていました。
本校のように、日本の高校教育を大切にしながら、「使える英語」をめざす本格的な英語教育を行い、英語を使って教科を教える/学ぶことにまで取り組むような学校はKLAS(スイス公文学園)以外にどこにもありませんでした。いや、日本にもありませんでした。

「 全寮制スタイル」(英語圏ではボーディングスクールと云う)でもあり、本校の挑戦的な教育実践が、その時、始まりました。

設立当初の5年間ぐらいの期間のことを、今も鮮明に思い出します。

英語しか使わない英語の授業、英語で行われる一般教科の授業、スイスやヨーロッパ各地へ出かける学校旅行、毎日が修学旅行のような寮生活、生徒も教員も新しいことに次々と取り組んでいく日々に、ワクワクしながら生活し、学習していました。
そうした高揚感と同時に、こういうやり方で本当に良いんだろうか、明日、来年の学校や自分はどうなっているのだろうか、そんな不安が校内に漂うこともありました。

「英語を使って勉強する日本人のためのボーディングスクール」なんて、誰も経験したことのない未知の学校ですから、今思えば、そのような不安も無理からぬことでした。
生徒だけではなく、当の教員からしても、日本人の教員は日本の学校しか知らないし、西洋人の教員だって、日本人だけを集めた学校ですからいつもの常識が通用しないこともあり、戸惑っていたのが本当のところでした。

日々の学校運営だけではなく、学校の経営やカリキュラムの編成などにも困難がつきまといましたが、1996年から「ACP(アメリカ等大学進学準備)プログラム」と「JCP(日本大学進学準備)プログラム」を整備し、より日本人に合わせた英語プログラムと日本人のための国際化教育を充実させることができるようになりました。

その後、2000年代になると、日本の大学入試事情もAOや推薦入試などの多様化が進み、それに対応するために「ACP/JCPプログラム」は各々「AEP (Advanced English  Program) / MBP (Main Bilingual Program」へと改編され、生徒はより柔軟に学習と進路を選べるようになりました。

この25年間に、アカデミック・プログラムは大きく前進を続け、英語プログラムは外国語習得のための指導理論の知見を生かしながら日本人学習者の特性に合わせて改善してきました。
生活面においても、創立以来の伝統である「discipline(=規律を重んじる指導)」の考え方にもとづく生徒指導を徹底させ続ける一方で 、逸脱を早めに予防する細かなケアも両立させることで、明るく健康的な共同体を維持してきました。

その創立から学校の運営に携わってきた者として、これまでの決して平坦ではなかった四半世紀を振り返ってみて、ほんとうによくここまで来たものだと感慨深いものがあります。

創立以来の25年を振り返ってみると、学校が向かおうとする方向は日本の教育開拓の方向と大きく重なることに気づきます。さらに、方向だけでなく、そのタイミングと改革の確実さにおいて本校が良き先行例となっていると言えるでしょう。

世の中が必要としていた英語指導における言語活動についても「生きる力」にしても、本校はずっと前から試行錯誤を始めていました。

21世紀になってやっと時代が本校を追いかけ始めたように思います。

 

11709736_1634045433484788_4197616362064531063_n

 

400人以上の卒在校生、保護者、教職員などの関係者が一堂に会した「創立25周年記念式典」。

今回は社会人となった同窓会のメンバーが中心となり、母校のために献身的に企画、運営を行ってくれました。

互いの旧交を温め、学校の歴史を祝った式典当日は、盛会で参加した誰もの思い出に残る素晴らしい1日となりました。