イベント・レポート

文字では伝えられない ~カナダ・エクスチェンジプログラム~

同世代の高校生と交流する「エクスチェンジ(交換)プログラム」。
本校とカナダの提携校との間で実施している7週間のプログラムです。
 
始めの4週間は、
カナダから提携校の高校生が本校を訪問。
本校の12年生(高3)と共に学び寮で生活します。
 
残りの3週間は、
今度は本校生徒(条件を満たした希望者)が、カナダの提携校を訪問。
パートナー宅でホームステイをしながら共に学び交流を続けていきます。
 
「文字では伝えられない・・・」
この言葉にこめられた生徒の思いとは?
 
メルマガ エクスチェンジ 03-01
■文字では伝えられない    ~カナダ・エクスチェンジプログラム~
11年生(高2)男子

皆さんはカナダと聞いて、どんな印象を持っているだろうか。

カナダと言えば、メープルの森、木は豊かに紅葉している。
森の奥には小さな山小屋。そこでおじいさんが蜂蜜を作っている。辺り一面に広がる蜂蜜の香り。
恥ずかしながら、これが僕の持っていたカナダに対する印象だった。

今回「エクスチェンジ(交換)プログラム」で、カナダ現地の学校で3週間過ごすことは、
あたかも自分が宇宙人にでもなったかのようだった。

驚いたことに、カナダの学校では、現地の学生たちに対して、
「エクスチェンジ(交換)プログラム」で僕たちがKLAS(スイス公文学園)から来ていることの紹介がなかった。
後でわかったことだが、多国籍国家であるカナダでは、
さまざまな国籍の学生がクラスにいることが当たり前のことであり、
異なる国籍の生徒がクラスにいても特にお客様あつかいしないということだった。

カナダに渡航した当初は、なかなかクラスに打ち解けることができなかった。
そんな僕は、周囲から冷たい目で見られていたように感じた。

ある時、僕は授業中に電子辞書でわからない単語を調べていた。
すると、何人かの生徒がそれは何なのかと興味深そうに尋ねてきた。
カナダには電子辞書がないとのことで、クラスメートの皆がたくさんの質問をしてきた。

たったそれだけの事で、僕はクラスの輪に入ることができた!

異文化を超えて「人とつながる」ということを理解した体験だった。

学校では授業のレベルは高く、当然ながらすべて英語で行われるため理解することが難しい授業などあった。
しかし、クラスの皆が助けてくれ、徐々に雑談などすることもできるようになり楽しく過ごすことができた。

週末にはホームステイ先の家族と出かけた。
家族でログハウスを造ったり、バーベキューをしたり、釣りをしたり、楽しかった事は数えきれない。

学校にも慣れていき、少しずつ仲間を増やしていった頃、プログラムの修了期間となってしまった。
最後の日、僕は数学クラスで友達となった9人の仲間たちに、ピザ屋へ連れて行かれた。彼らは僕にピザを丸まる1枚買ってくれたのだ。
さすがに食べきれない、と思いつつも僕は感謝してピザをほおばった。

言葉の壁など、時につらい事もあったが、終わりになるとどういう訳か、楽しいことばかりが思い出として残った。
帰国する日はつらく、心の底から帰りたくないと思った。

僕は、自分の一番の思い出を書くことこそが、このエクスチェンジプログラムの楽しさを皆さんに伝える最もよい方法だと思い、
この文章を書き始めた。

カナダのエクスチェンジ生との交流、日系の女の子との出会い、問題より問題文の方が難しい授業、
とっても優しいホストマザーやすばらしい家族、大家族ですき焼きパーティーした話、ログハウスを造った体験、
演劇仲間との出会いと自己表現について、マリンスポーツ、コスプレ大会に参加して戦った事、
自分自身に対する疑問や迷い、自分との戦い、楽しかったルームメイトとの生活、クラスの仲間との交流、
おいしいごはん、カナダの自然・・・・・、
他にもたくさん書きたい事が出てきてしまう。

どれを1番の思い出にするか。

書いては消し、書いては消しを繰り返して、僕が出した結論は、
1番の思い出は、きっと何度書き直しても決める事ができないだろう、という事だ。
すべてが1番楽しかった、というのは、とても幼稚な結論であると自覚している。
しかし、これが僕の本当の気持ちなのだ。

「文字では伝えられない・・・」このたった10文字が僕の気持ちを的確に伝えてくれる。
それこそがこのエクスチェンジプログラムの1番の魅力であると僕は断言できる。

このプログラムを終えて、僕はカナダという国に対してもう以前のイメージはない 。
経験したたくさんの事、苦しかった事、自分を応援してくれ、必要としてくれた人たち、
これらはもはや僕にとって印象ではなく「実感」となって心に座っている。

自分の生き方を考えさせられる「たくさんの出会い」もあった。

このエクスチェンジプログラムは、楽しく過ごせるのと同時に、
もっと英語を学びたい、もっと世界を知りたい、もっと日本についても学びたい、という意欲がでてくるいいチャンスだと思う。

勉強だけではなく、カナダ人の仲間や家族とさまざまな体験が一緒にできたこのプログラム。
パートナーとKLASで一緒に過ごした時間も含めて、これほどまでに密度の濃い7週間は生まれて初めてだったと今改めて感じ、
僕を支えてくれた皆に感謝したい。この貴重な体験を今後に生かしていきたいと思う。