寮父/寮母先生の日記

寮生活だより 〜小さな選択の積み重ね〜

■寮生活だより 〜小さな選択の積み重ね〜
寮母 川﨑 照予

 ターム2(9月~10月前半)の定期考査、シニアトリップ・スイス文化旅行を終え、生徒たちは息つく暇なくクモリンピックのダンス練習とポスター作りに集中しています。この文章が公開される頃は、クモリンピックの余韻に浸りながら、12月の冬休みに思いを馳せていることでしょう。今回は、日々の生徒の様子や言葉から「選択」について考えてみたいと思います。

 「忙しすぎて勉強する時間がないよ」と言いながら、部活に遅れまいと走る子がいます。愚痴をこぼしていてもどこか嬉しそうです。勉強をしなければと思いつつ、部活や委員会、仲間と遊ぶ時間を減らしたくないようです。

 また、「勉強に集中したいから他のことをする余裕はない」ときっぱり言う子もいます。目標に向かって突き進み、毅然とした態度が印象的です。さらに、「何かに追われるのは苦手だな。ゆっくり自分のペースで図書館の本を全部読破したいなあ」という子もいます。穏やかで優しい雰囲気が特徴的で、いつも図書館か部屋で、天気の良い時にはベンチで読書をしています。

 私たちは何かをする時、意識的に無意識的に、自分自身がそれをすることを「選択」しています。あるいは、しないということを「選択」しています。部活動や仲間と過ごすことで得られる体験、勉強に専念することで得られる結果や達成感、読書を通して得られる知識や冒険体験。得られることと同時に、失う事も必ず一緒にくっついてきます。限られた時間の中で、私たちはすること・しないことを選択して生きているのです。

 どんな過ごし方、あり方、どんなことをして、どんなことをしないか、どのような選択にも、正解も不正解もないのだと思います。「私の選択これでいいのだ、よしよし」と、自分に優しく、そして自分の選択に対して自信と責任を持って進んでいってほしい。もし、自分の選択にも関わらず、周囲の物事や他の誰かのせいにして、相手を責めるような気持ち、身動きが取れないような気持ちになった時には「これは私の選択だ、受けて立とう、それでダメなら次の選択をして前へ進めばいい」と考えてもらえたらいいな、と願います。どんな選択にも正解も不正解もないのですから。自分の気持ち次第、捉え方次第なのです。もし、状況を打破できないなら、次の手を打つ。次の新たな選択をしてみる。そう腹を決めることで、自分自身が楽になるから不思議です。

 思い悩む時こそ、自分自身が選択の主体者であること、また、何度でも次の選択を積み重ねて前進できることを忘れず、強さと優しさと柔軟さを持って、それぞれの青春を謳歌してほしいと思います。