イベント・レポート

ICU特別講座「平和のつくりかた」

■ICU特別講座「平和のつくりかた」
進路部教諭 宮本 啓示

 11月14日(月)に、本年の7月に高大連携協定を結んだ国際基督教大学(International Christian University、以下ICU)の毛利勝彦教授による特別講座「平和のつくりかた」が行われました。

 ヨーロッパの中央に位置するスイスには、国連ヨーロッパ本部をはじめとする多くの国際機関本部があり、多国籍の方々が住んでいます。また、2002年に欧州連合(EU)とスイスとの間で二者間協定が施行され、人の移動が自由になったため、スイスの人口は2000年から増加しました。生徒たちは、世界の国々の人々の幸せや平和について考えざるを得ない環境にあると言ってもよいでしょう。そんな彼らにとって毛利教授の講座は興味深く、終了後も教授を囲んでしばらく懇談が続きました。

 今回は、本校との協定締結に尽力された池ノ内健司学部長特別補佐も同行され、12月21日(水)に実施される予定の「スイス公文生のためだけのICUキャンパス・授業見学の案内」もありました。

 次に3年生男女2名の受講コメントを紹介します。

「集団自衛と集団安全保障の違いがわかってよかったです。平和の意義についてもう一度自分で考え、天使と対話をしたいと思いました。このプレゼンを糧に、必ずや僕の手で天使を解き放ってみせます」(男子)

「自分が変わること!“自分の中にあるエンジェルを見つけてください!”この言葉が私には、ぐさりときました。私は今、将来何をしたいのかわからない状態にいます。だからこそ今日の40分間程の講義が私には、とても役立ちました。この言葉を受け、真剣にリベラルアーツに進もうかと思いました。私に新たな道が拓けたと思います。すごくためになりました。ありがとうございました」(女子)

 天使、エンジェルと表現されているのは、「自分自身の可能性、本当の価値」のことです。毛利先生は、「ミケランジェロが、大理石の中に閉じ込められた像を思い描き、彫ることでその像を解き放った」ということになぞらえて、自分自身の中にある天使を解き放つのがリベラルアーツであるということを話されたのです。 

 以下に2年生の受講コメントを紹介します。

 「私は、毛利先生と池ノ内先生がスイス公文に訪問される前からICUを存じておりましたが、今回の特別講座で深く知ることができ、更に考えさせられることがありました。国同士の平和は、人同士の平和から始まるのではないかと考えました。

 私が魅力を感じたのは、ICUは“平和をつくる人たちをつくる場所だ”ということです。毛利先生の国際平和についての詳しい説明を聴いて、国際平和というのは持続する事が難しく、人と人との繋がりでも同じことが言えると思いました。あくまでその繋がりは、個人同士又は少人数同士といったすごく狭い世界での話に過ぎませんが、国際平和というのは国と国との問題です。多くの国民を抱えていますし、何か1つが変わると世界全体も変わってしまうことさえあります。そんな、自分たちの周りにあるものなんかと比べようもないくらい物凄く広い世界での話です。
だから平和を持続するのは本当に難しく、小さな世界で苦戦している今の私には到底できることではありません。他の大学に行ったり、普通に暮らしたりしていたらきっと学べない事だろうと思います。ICUでは、そんな素敵な事が学べるのだと思いました。
 
 ICUでは異なる価値観をもつ者同士の対話を通して新しい価値観を見出す事ができるとのこと。これは、少しだけなら私たちの日常生活の中でもできるような気がします。私は毎日様々な価値観を持った人と接しています。あたりまえですが、それぞれの人は育ってきた背景も違えば考え方も違う、全く同じ人なんていないのです。今まで私は他人の考えを聞いて、そこから新しい自分を探そう、なんて考えた事はありませんでした。
しかし今回の講座を通して、他人との対話は自分を良い人間に成長させてていくためのひとつの方法であると気づかされました。」