イベント・レポート

英語ミュージカルを終えて

4月、英語力の向上を目的とした23回目の英語ミュージカルが上演されました。
今回の演目である”Lucky Stiff”は、叔父から多額の遺産を相続する主人公が、遺言にある奇妙な条件を満たすために奔走する物語で、多くの笑いを誘ったあとには意外な結末が待っていました。
経験豊富な先生方の指導のもと、セリフや歌は全て英語、役者やオーケストラはもちろん照明や音響などの裏方の仕事もすべて生徒たちでやり遂げました。
参加した生徒の感想をご紹介します。

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■ミュージカル「Lucky Stiff」 を通して
10年生女子


 ミュージカルといえば、ターム5最大の行事です。そこには、オーケストラや照明、音響、メイクアップ、舞台セット、ランニングクルーなど、様々な役職が関わってきます。さらに、それぞれが全力を尽くして盛り上げ華を持たせようとする存在、それがキャストメンバーです。キャストは、幾つもの役割の中で唯一ミュージカルの表舞台に立ち、人目を集める仕事といえるでしょう。なので、誰よりも努力することを求められ、完成度の高さを期待されます。そんなキャストという役割に、今年度は13人という少ない人数での挑戦となりました。

 私は、ミュージカルキャストの中で唯一の10年生でした。 キャストになるためには、公開オーディションに参加し、合格しなければなりません。しかし、オーディションでは先輩方との圧倒的な実力差を見せつけられ、合格しても足を引っ張ってしまうだけなのではないかという不安が頭を埋め尽くしていました。キャストになりたいと思う反面、少し嫌だなと思う気持ちもあったと思います。

 ところが、いざ合格して練習に参加してみると、私の考えは全く違っていたのだとわかりました。私は複数の役を演じ分ける必要があったのですが、なかなか声のトーンや動きを掴めないでいた私に、先輩方はいくつものアドバイスをしてくれました。 どう演じようかと考えるのではなく、その人物になりきってしまった方がいい、という考え方を知ることもできました。そのほかにも、休憩中に一緒に話したり、お菓子をもらったりと、先輩との距離を縮めることができたと思います。

 約半年間の活動期間で私が一番忘れることができないのが、やはり本番です。まるで別人かのように施されたメイクや、コロコロと変わる衣装。全てが初めてで新鮮な経験でした。そして、キャストの先輩方や、ミュージカルに関わっている様々な人たちからの「ありがとう」や「お疲れ様」という言葉は、今までの苦労を一瞬で吹き飛ばしてくれました。今まで私たちを支えてくれた全ての人に感謝を伝えたいです。今回ミュージカルに参加して良かったと私は思います。



■辛かった日々が…
11年生男子


 ミュージカル最終公演日、私たちオーケストラは最後の曲、エクジットミュージックを演奏するにあたり、最終日らしい演出として、最後の6小節間を立ちながら演奏することになった。結果、一糸乱れずに成功し、ミュージカルを観てくれたたくさんのお客さん、サウンドエフェクトの担当者、照明係、そしてミュージカルキャストのみなさんが私たちに盛大な拍手をしてくれた。私はそれが嬉しくてたまらなかった。

 そもそも私がなぜミュージカルのオーケストラとして働くことを決めたのか。それは上記の通り、大喝采を受けられるからである。しかし私はそれ以外にも理由がある。例えば仲間が増えるからである。それもオーケストラのメンバーだけではなく、キャストとも仲良くなれるチャンスがあると思ったからでもあった。また「裏ミュージカル」というものが存在するからでもある。「裏ミュージカル」とはミュージカル最終日にミュージカル関係者と小さめなバンケットをするというものである。それがとても私を楽しくさせてくれる。

 しかしその日を迎えるまで、地獄と言っても過言でないほどの練習があったというのも事実である。ミュージカル練習はターム4の後半から始まる。初見で楽譜を見た時に、まず4分の2拍子等の変則的な曲が半分近くも占めていた。そして何よりきついのはフラットやシャープ等の記号がジャパニーズフェスティバルやオープンハウス等で演奏する曲よりはるかに多いのであった。これらが私たちを混乱させる。その状態でオーケストラ全員で演奏すれば、当然崩れる。そしてやっと慣れてきたと安心していたら、今度はランスルーという通し練習が私たちを待ち構えていた。今年のミュージカルは1曲1曲がメドレーのようになっており、次の曲を準備するまでの時間がない。仮に素早く準備ができたとしても気を抜くと、本来演奏する部分ができなくなってしまうこともあった。そしてやっとランスルーが終わったと思いきや、中島先生から「演奏の音が大き過ぎてキャストの歌声が聞こえない」というコメントがあった。これは私たちにとって意識するのは簡単だが、実際にやるのはとても難しい。なぜなら私の経験上、音を小さくして演奏するのは通常の演奏よりもはるかに神経を使うからである。そしてどうしてもオーケストラとキャストとの間にずれが起こってしまう。これも通常の演奏なら歌い手がいないのでこの現象は起こらないので、うろたえてしまう。

 そして本番1週間前になるとスタディーホールを犠牲にしてのランスルーがあった。一見スタディーホールをやらないので、いい話に聞こえると思うがとても大変なのである。通常の授業で疲れが溜まった状態で演奏するので本調子がでない。そして私はある金管楽器を演奏したのだが、口や顔の筋肉を駆使してしまい筋肉痛になってしまったということが何度もあった。

 このような苦労が3日間のミュージカルを成功に導いたと思っている。実は私はこの経験は初めてではなく二度目である。これに懲りてもうオーケストラをやめる気はなく、残りの一年間もオーケストラとして働こうと思っている。この苦労は私を嫌にさせるものではなく、逆により多くの達成感を与えるためにあるのだ、というのが私の意見である。



■最後のミュージカル、最初の主役
12年生男子


 今回のミュージカルは、この3年間で初めてのコメディ調の作品で、しかも初めて主役をやらせていただけることとなり、とても緊張していました。
また、今回舞台作成を指揮したDriscoll先生にとっても今回が初のミュージカルでした。練習が始まった当初は、キャストやオーケストラのメンバーで、どうなることか、とお互いに心配しあったものです。

 そんな初めてづくしのミュージカルでしたが、終わってみれば、3年間で最高のミュージカルでした(こういうことは僕が言っても説得力ないかもしれませんが)。
キャスト全体の演技力、歌唱力はもちろんのこと、その演技にピッタリ合わせてくれた音響の人たち、舞台装置チーム、地元のお客さん向けの受付をしてくれたFront of Houseの人、動きが多いキャストを照らし続けてくれたLighting Crewのみんな、リハーサルをいつも1番近くで支えてくれたStage Manager、めまぐるしい舞台装置の移動をそつなくこなしてくれたRunning Crew、舞台裏で衣装替えを手伝ってくれたCostume、華やかなメイクで舞台を飾り立ててくれたメイク担当の人、そして最後に、素晴らしい演奏を届けてくれたオーケストラのメンバー。本当にたくさんの人たちに支えられて成り立ったミュージカルだったな、というのが1番の感想です。関わってくれたみんな、本当にありがとう!

  KLASが作り上げた、KLASだけの『Lucky Stiff』。来年度以降もこの伝統を受け継いでいってもらいたいです。