校長先生からのメッセージ

卒業生の活躍に思う


卒業生の活躍に思う

校長 渡邉 博司


本校は1990年の創立以来、これまで1400名以上の卒業生を送り出してきました。日本式とインターナショナル式のハイブリットなプログラムでしっかり勉強し、英語ができ、何より海外での寮生活を通して人間的にたくましく成長した生徒たちです。進学先でもしっかりと勉学を重ね、その後は世界の各々の分野で活躍しています。同窓会活動も盛んで、レザンを再訪してくれる卒業生も多く、彼らの現況に触れることも多くあり、そんな時は本当に嬉しい限りです。
 
さて、卒業生のその後については皆さまも関心のあるところでしょう。卒業生と云っても、最初の1993年卒業生は今43歳前後であり、一方で今年5月の卒業生は18歳とさまざまです。そこで、卒業して10年経った2008年卒業生を例にして、今般実施した卒業生アンケートの速報と私の知る範囲の情報で、彼らが今、どんなことをしているかまとめてみました。卒業生の一端として参考にしていただけると思います。
 
2008年5月の卒業時点で、12名が海外大学など(他1名が国内大学の秋入学)に入学が決まっており、その他は日本での進学準備に入りました。

T君は日本の大学卒業後にメーカーに就職、経営企画の仕事を経て、イギリスの大学院で再び学び、MBAを取得して先ごろ帰国したようです。大学院卒業前の今年春、学校に再来し、自ら進んで在校生にその体験を話してくれました。在学中はおとなしかった彼がこんなに積極的な青年になったことに驚きました。
 
Yさんは、アメリカの大学で学んだ後、貿易会社で働くうちに自分でビジネスをすることを決め、大阪で貿易会社を立ち上げました。途上国の工芸品を日本で売ることに社会起業的な意義もあるようです。この夏、本校や大学の経験を学校説明会で話してくれました。こちらも決して目立つような生徒ではなかったのでびっくりしました。
 
U君は、現在のAEPプログラム※で学んで日本の大学に進み、米系コンサルティング会社で数年働いた後、最初に決めてあった通り退職して、旅行情報会社を立ち上げました。経営が軌道に乗ったところで、奥さんにKLASを見せるのだと云ってレザンを訪れてくれました。一緒に食事しながら話を聞くと、もう一人前のビジネスマンに成長していました。
 
起業する者は少なくないのですが、他にはアプリ制作会社を都内で営む者や、同じようなことをアメリカでやっている者もいます。
 
専門的な仕事をしている者では、医師が2名、歯科医が2名、パイロットが1名、公認会計士1名、教員1名と云ったところです。面白いところでは、プロのロックバンドリーダーとして活躍している者もいます。

他には、度胸と英語が買われたこんなケースも…。
Mさんは、アメリカの大学を卒業後、外資系食品会社で仕事をした後、自分の力を試してみたいと会社を辞め、タイの食品輸出会社の経営を任されるポジションに就きました。再び(みたび?)海外へ雄飛し、国内の環境より合っているのか、活き活きとやっているようです。
 
そのほかには、インドやベトナムへ海外赴任している者、米系巨大IT企業で勤める者、大学院で数学を研究したのちITエンジニア、米系娯楽施設の運営会社に勤める者、米国大学で学んだマーケティングを大手化粧品会社で生かす者、カナダで生態学を学んで国内の博士課程に進んでいる者。興味深いところでは、世界遺産研究センターの研究員やアメリカのリベラルアーツ系大学に進んだ後、今は国内大学の医学部で学んでいる者も…。
 
こうして卒業生の動向をまとめてみると、大学を終えて職についた後、転職や起業している姿が目立ちます。自らの道を自分で切り開いています。必要とあれば、新しい挑戦にも躊躇していません。
 
今、日本の社会全体では新卒新入社員の3年後残存率は60%を切っているそうですから、驚くことではないのでしょうが、それでも上述したような本校卒業生の行動力やチャレンジ精神には改めて感心させられます。
 
もっとも、15歳でスイス行きを決心し、人間関係を保つ力や英語力を身につけた彼らのことですから決して不思議なことではないかもしれません。卒業生の活躍する姿を見ると学校で身につけた逞しさの証が見えてくるように思えます。
 
とは云え、未だ28歳の彼らのすべてが、順風満帆の人生を進んでいるわけではありません。中には、次への飛翔に備えているかもしれません。そんな彼らには他の卒業生もそうであるように自分を信じて先へ進んで欲しいと思います。
 
彼らは自分の人生を歩み始める前に、海外の全寮制高校で英語を使いながら共同生活しました。その中で、他者を理解しながら自分を見つめ、先を見て計画したことを自ら実行していたのです。彼らは今でも自分を冷静に分析して、やるべきことに答えを出し、それを実践できます。それこそが彼らが世の中を渡って行くときの強みなのだと思います。

Class 2018 reunion
*AEPプログラム ・・・Advanced English Program(英語で社会・理科・数学も学ぶプログラム)